「チルドリン春のママ祭り」のイベントとして企画されたこの講演会。
その日が近づくにつれ正直、私の気持ちは重くなってきていました。
「育児に参加してきましたよ!」って胸をはって言えない自分に、
少しきついテーマかな、というのが主な理由でしょうが、
反省パパからというスタンスで、これまでもNHK「すくすく子育て」や、多くのパパ企画にかかわってきたので、
それだけじゃないんだろうなと思いながら会場へ向かいました。
スタートはまだ席もまばらで、乳児づれのママさんが多く、
子どもの様子に気をとられてという感じで、さあこれから講演を始めますって雰囲気でもなかったので、
司会の方に紹介してもらったあと、ステージには立たず、皆さんの中に入って話しを聞いてゆくことにしました。

マイクを向けられ、最初は遠慮がちでしたが、
「そうか・・・」「へえ~そうなんだ・・・」と聞いて回るうちに、
少しずつそのままの気持ちや思いを出してもらえるようになってきました。
とあるママは、「夫は協力的でなくて・・・産院から帰宅した翌日、すでに夫はアイマスクと耳栓をして、
隣の部屋で寝てしまいました。そして、次の日は、実家から手伝いに来てくれた母を、わずらわしいと、
帰してしまいました・・・」と話してくれました。
会場からは「信じられないです」「・・膝を突き合わせて話し合うしかないんじゃないですか・・・」
「私だったら、とてもやっていけないと思う・・」「彼女の友人ですが、そんなことがあったなんて
知りませんでした・・」と、コメントがつむがれてゆきます。
私も今回、奥さんに、奥義について恐る恐る聞いていて、手紙をもらっていました。
その話しを途中でさせてもらうと、参加者との一体感をより感じられるようになりました。
進行とともに、たくさんの方が集まってきてくれて、30分という短い時間でしたが、
それぞれの状況を皆で共有することができました。
最後は時間の許すかぎり、皆さんからの質問にお答えして、
「皆違っていいんだよ。そのままでね」のメッセージとともに会を終えました。
最後までステージに上がることはなく、講演会というより、
ファシリテーションワークショップのような時間でした。
奥義としてまとめたり、直接の答えをあげたりすることはできなかったかもしれないけど、
参加者の表情が少しずつゆるんでゆき、力がぬけてゆくのを、皆と同じ目線から感じることができ、
これでよかったのかなって思えました。皆に共通の答えなんか見つからないしね。
見えない相手に向けて、マニュアルのような奥義を伝えなきゃって思っていたから、気持ちも重かったのかな。
温かく清々しい空気がその場を包んでくれていて、おかげさまで私もすっかり軽くなっていました。
竹内 正人